「死なない子供、荒川修作」「縄文にハマる人々」の山岡信貴監督がアートの意義を探る旅を描いたドキュメンタリー。「Session1 惰性の王国」「Session2 46億年の孤独」とそれぞれ題された2部構成のうちの第1部。 「死なない子供、荒川修作」で難解な荒川の芸術に、「縄文にハマる人々」では謎深い縄文文化に深く接してきた結果、アート鑑賞に対して何も感じないという、自称「アート不感症」に陥ってしまっていた山岡監督。そこへ新型コロナウイルスのパンデミックが襲来し、芸術やエンタテインメントの意味を改めて問わざるを得なくなった社会の大きな変化が重なった。山岡監督は自分がなぜアートを素直に楽しむことができなくなってしまったのか、その理由を探るべく、現代日本におけるアートの意味を探る旅を始める。 「Session1 惰性の王国」では、「越後妻有大地の芸術祭」がなぜ世界有数の芸術祭となったのか、「あいちトリエンナーレ2019」で見えてきた日本におけるアートの現状とはどのようなものかを踏まえながら、20世紀アートの頂点と言われる「泉」を手がけたマルセル・デュシャンとも親交が深く、グッゲンハイム美術館で日本人初の個展を開くにまで至った荒川修作がなぜアートを完全に捨てるに至ったのかを検証し、アートの限界を見極めていく。